プロペラ機の推力に関する分析
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YSFSにおいて、プロペラ機の加速が低速で妙に強い、と思ったことのある人は多いのではないか。
実は、YSFSにおけるジェットエンジンの特性と、レシプロエンジンの特性は、全く違うことが判明したので、詳細をここに記しておく。

山川機長は公式ブログで、レシプロエンジンの強さは馬力、つまり仕事率で表されるから、推力は速度に反比例する、というようなことを書いておられた。
更に、速度が0に近い状態では、プロペラ効率が悪いので、加速度は無限大にはならない、ということも書いておられる。

それが実際のレシプロエンジンの挙動と一致するかはともかく、結論から言えば、その考え方がYSFSに反映されている。
YSFlightのレシプロエンジンの推力は、次の式によって決定される。

T = 推力[N]
e = プロペラ効率(=PROPEFCYの値、設定しないときは0.7)
P = 馬力[HP](=PROPELLR)
v = 機体の速度[m/s]
A = PROPVMINの速度[m/s](設定しないときはおよそ31.9m/s)
ρ= 空気密度[kg/m^3](ここを参照)
としたとき、



ただし、Aのデフォルトの値とした31.9m/sは、62ktに一致するようにしただけで、正確には測れていない。
おそらく、1-2%の誤差はあるものと思われる。

簡単に言えば、速度を減少させると、推力は速度に反比例して増加するが、PROPVMIN以下の速度では、推力の増加は徐々に少なくなり、「速度0で無限大」にはならない、ということだ。

実際にどんな挙動をするのか見てみよう。
下のデータは、横軸に速度をとり、縦軸に1/加速度、つまり推力の逆数をとったものである。
ピンクのデータは上の式による理論値で、青のデータは実測値である。(実測値はリプレイデータを処理してプロッティングした。)
理論値と実測値が、よく一致することがわかる。



以上の分析は、ここに生かされた。

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